施設紹介ー城南・島しょ支部
目黒区
総合病院厚生中央病院
【当院の概要】
当院の基本理念の一つは「心の通った温もりを感じる医療を目指します」です。1959年に全国土木建築国民健康保険組合の唯一の直営病院として同組合の被保険者をはじめ,地域に根ざした医療を行うため,この地に設立されました。現在の建物は1992年4月に行われた恵比寿地区の再開発とともに隣接地より移転して参りました。東京都指定二次救急医療機関のほか東京都災害拠点連携病院などにも指定され,新型コロナウイルス感染症患者の積極的な受け入れも行って参りました。また,健康管理センター,地域包括ケア病棟を有し,健診による健康管理にも力を入れるとともに,ご病気の際には急性期治療から在宅に至るまでの切れ目のない医療の提供を行っています。なお,分娩施設も有しており,周産期医療,無痛分娩や産後ケア入院にも力を入れております。
【薬剤部について】
当薬剤部は薬剤師数20名,倉庫助手1名で業務を行い,若手からベテランまで幅広い年齢層で構成されています。
院外処方箋の発行率は約96%です。多くの外来患者が保険薬局で調剤をお受けになっているため,薬薬連携は特に重要であると認識しています。
院内の業務は入院患者の調剤や注射薬セット(1本渡し),閉鎖式回路を用いた抗がん剤の全調製,医薬品情報室業務,入院患者の抗 MRSA 薬 TDM の全実施,薬剤管理指導業務のほか,病棟薬剤業務では地域包括病棟を含む7病棟に1名ずつ専任薬剤師を配属し,勤務シフトによる応対の切れ目ができないように副担当を配置し,カンファレンスや業務引継により,日々の情報共有を行っています。また,速やかな患者情報の入力や確認ができるよう薬剤師一人ずつに電子カルテ端末を用意し,記録者による記載内容のバラツキを減らし,質確保を目指した記録のテンプレート化などにより省力化を図ることで業務時間の効率化も目指しています。
薬薬連携として,入院時には当院書式の「入院前服薬状況等にかかる情報提供書」をお送りいただき,退院時には入院中の患者情報を共有する薬剤管理サマリーの発行を積極的に行うことで切れ目のない治療へつなげています。当院では2008年から近隣の保険薬局の協力を得ながら連絡会を毎月行っています。この連携によりコロナ禍において,外来患者応対の役割分担を円滑に行うことができ,地域住民の安心安全な医療につなげられました。薬局トレーシングレポート対応では専任を1名配置し,ご報告の内容に応じて対応を切り分け,その結果を発信元へ必ず返信しています。
当薬剤部では困ったことや疑問点などを気軽に話せる雰囲気作り,積極的な意思疎通,正確な業務伝達を心がけています。また,薬剤師の業務品質の担保・向上を図るために部内研修会も定期的に開催しているほか,クリニカルパスでは薬剤師介入によるアウトカムを意識した業務改善,標準化のための検討会も開催しています。私たちは一人ひとりの薬剤師が医療スタッフとしての自覚を持ち,考え,行動し,正確に伝達・共有し,また連携を行い,患者利益のためにそれぞれの薬剤師が研鑽を積んでおります。
住所 | 東京都目黒区三田1-11-7 |
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TEL | 03-3713-2141 |
FAX | 一般病床 257床,地域包括ケア病棟 45床,人間ドック 18床 |
大田区
(独)地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター
病院の成り立ち
当院の前身は戦後間もない頃に開院した「社会保険蒲田総合病院」で、大田区蒲田周辺の救急医療を担い、地域の患者さんに親しまれてきた病院です。
2014年に地域医療機能推進機構(JCHO)へと移管され「東京蒲田医療センター」となり、二次救急としての急性期医療に加え、亜急性期医療、慢性期医療にも取り組む病院に生まれ変わりました。
急性期医療に対しては各科において専門性を発揮し、各医療機関と連携しながら適した医療を提供できるように取り組んでいます。亜急性期には地域包括ケア病棟を活用してリハビリテーションなど患者さんが在宅復帰できるようサポートを行い、慢性期ではかかりつけ医と密に連携して在宅療養後方支援のための診察を受け入れるなど、超高齢社会に対応するために推進されている地域包括ケア構想における“要”の役割を果たしています。
薬剤部の活動
薬剤部は現在12名で、各病棟に薬剤師を配置して病棟を中心とした業務を行っています。
特に、患者情報や治療方針に基づいた処方提案や薬の適切な投与の確認に重点を置いています。
処方提案は、薬剤師が持参薬鑑別をすることから始まります。まず患者さんや看護師から情報収集し、不明な点があれば調剤薬局に問い合わせを行います。時には、地域連携室を通して紹介状を取り寄せることもあります。次に診療回診やカンファレンスに参加して、患者さんの状態や治療方針を考慮したうえで、医師に処方の提案をします。内容は主に院内採用薬への切り替え、薬の投与形態の変更、TDMになります。
またハイリスク薬や麻薬などは、薬剤師が投与量・投与速度の計算を行い処方の妥当性を確認してから病棟に払い出します。処方前に医師から薬剤師に投与量・投与速度についての問い合わせもあります。
薬剤師が処方提案することや薬の適切な投与を確認することで、患者さんの状態にあった薬物治療を安全に行っていると思っています。
その他、一部の病棟で看護師と注射薬と処方箋の読み合わせをし、末梢輸液の混合を行い、投与患者誤りや混合ミスを防いでいます。
当院は中小規模の病院であるため、コミュニケーションを取りやすい環境にあり、多職種で一体となった活動が盛んです。なかでも、医師・看護師・コメディカルで構成されている心不全チームには、多くの薬剤師が参加しています。心不全チームは循環器科の医師が中心となり、全病棟を横断的に心不全発症のリスクが高い患者さんをリストアップしてカンファレンスを行います。それにより多職種が患者情報を共有し、早い段階から心不全をふまえた治療にとりくむことが可能になっています。
これからも多職種から「薬剤師に聞いてみよう!」と頼りにされる存在でありたいと考え、いろいろな場所で研鑽を続け「見て、聞いて、感じる」人間性豊かな薬剤師として、薬物治療に貢献していきたいと思っております。
住所 | 東京都大田区南蒲田2-19-2 |
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TEL | 03-3738-8221 |
FAX |
医療法人社団松和会 池上総合病院
【当院の概要】
池上総合病院は,「安全で最善の医療を提供し,地域住民の方々に信頼される病院をめざす」という理念のもと,1993年10月に開設されました。
当院は,25科の診療科を有する384床の病院であり,東京都指定二次救急医療機関,東京都CCU ネットワーク加盟,東京都災害拠点病院などの各種指定を受けています。
また,療養型病棟,地域包括ケア病棟を設けており,急性期から慢性期まで幅広いニーズに対応しています。
そのほかにも,人工透析室が43床あり,透析医療も積極的に行っています。
今後は,健康寿命の延伸を目標に健診を中心とした予防医学を拡充し,再生医療など新規医療に取り組み,地域の皆様に最高の医療を提供することを目指しています。
【薬剤室について】
現在,薬剤師常勤22名,非常勤1名,助手2名で業務を行っています。
業務内容は,調剤業務(内服・外用・注射),持参薬鑑別,薬剤管理指導業務,病棟薬剤業務,注射無菌処理業務,DI 業務,TDM,治験管理などであり,そのほかICT/AST,NST,褥瘡などのチーム医療への参加,がん薬物療法認定薬剤師による薬剤師外来などさまざまな分野で活動しています。
病棟業務と調剤業務を兼任し,一通りの業務ができるジェネラリストを目指し教育しています。
病棟業務は各フロアに2〜3名の薬剤師を配置し,入院患者の持参薬鑑別,アレルギー歴や術前・検査前に中止すべき薬剤の確認,入院時面談,服薬説明,退院時指導などを行っています。
新人教育は,個々の進度や適正を見ながら柔軟に教育を実施しています。病棟業務も1年目から行い,さまざまな診療科を経験できるよう各フロアをローテーション制にしています。
早期からさまざまな領域の経験を積むことが今後のキャリア形成につながると考えています。
私たちは,薬剤師が専門性を発揮し,病棟薬剤業務やチーム医療に積極的に関わることのできる環境づくりと人材育成を大切にしています。
そのため,一人ひとりが自己研鑽に励み,薬剤師スキル向上のための資格取得ができるよう支援などを行っています。
また,個々の自主性を尊重し,お互いが尊敬し支え合える関係性を大切にする職場づくりに努めています。
働きやすい環境を構築することは,人材育成に重要だと考えています。
当院の今後の課題として,薬薬連携への取り組みがまだまだ不足していると感じています。地域により貢献するためにも薬薬連携の充実化を図り,患者様へ安心安全な薬物療法を提供できるようにしていきたいと思います。
住所 | 東京都大田区池上6-1-19 |
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TEL | |
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世田谷区
社会福祉法人 東京有隣会 有隣病院
地域に根差した病院を目指して
有隣病院は昭和15年(1940)5月1日に開設され、昭和27年(1952)5月 社会福祉法人 有隣病院として認可されました。当初は結核病棟が主な病床でしたが、平成10年にすべて一般病棟へ変更し、その後一般病棟100床、療養病棟151床へと高齢者医療にシフトしました。さらに平成25年(2013) 12月には回復期リハビリテーション病棟を1病棟開設し、27年(2015)3月には在宅復帰機能強化加算病棟を開設し総病床数251床となりました。
高齢化をにらみ、病院の基本理念を1.「見えないものの価値を尊重する」2.「個々の人間性を大切にし奉仕の心で接する」3.「つねに自分自身に誠実であることを心がける高齢者に優しい病院」としています。地域のみなさまに「かかってよかった」と言われる病院になるために、1.患者さんにわかりやすく丁寧にご説明します。2.患者さんに安全で納得していただける医療を行います。3.患者さんの意思と尊厳を大切にします。4.患者さんから信頼を得られるように誠意をもって対応します。5.つねに自己研鑽し人格・知識・技能の向上に努めます。を心がけ、高齢者に優しい病院を目指しています。
薬剤科は現在薬剤師6名・薬剤科事務1名の7名で日常業務を行っています。回復期リハビリ病棟では、薬剤師が毎日入院される患者さんの初回カンファに出席し、初期の処方設計から関わるようにしています。また退院時カンファにも薬剤師が出席し、ケアマネージャーや訪問看護事業所、場合によっては在宅医と、退院後の問題点の解消に向け積極的に薬物療法の提案をするようにしています。回復期リハビリ病棟に担当の薬剤師がいる病院は少ないと思いますが、服薬の自立・支援に向けて充分に責務を果たしていると思います。
その他にはTDMや高カロリー輸液のミキシング・末梢輸液のミキシングと病棟業務の軽減にも貢献しています。
さらに、自己研鑽のために、年1回は学会発表を行うようにしています。毎年テーマは異なりますが、日常の業務の中で疑問に感じたことなどを発表するようにしています。例えば、冷感パップ剤を冬季にアドヒアランスを保つために、ひと肌に温めて貼付する方法や、転倒の副作用が懸念される認知症治療剤を中止した際のMMSEへの影響を調べ、その結果をもとに認知症治療剤が含まれるポリファーマシーの改善を行ったりしてきました。
今後ますます高齢化が進む日本で、病院薬剤師として患者さんに積極的に関わっていきたいと考えています。
地域に対して、一般住民を対象とした有隣病院「健康フェスタ」を開催するなど、都内ではなかなか難しい地域包括ケアシステムに関わっていきたいと考えています。
住所 | 東京都世田谷区船橋2-15-38 |
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TEL | 03-3482-3611 |
FAX |
公益財団法人 日産厚生会 玉川病院
「医の実践と研究」を使命に、急性期から回復期まで担う地域中核病院
玉川病院は、1941年に日産コンツェルン創始者の鮎川義介によりつくられた日産関連工場の従業員の結核保養所「佐倉厚生園」(千葉県佐倉市)と従業員の健康診断を行う「日産厚生会診療所」(東京都港区新橋)が前身となり1953年3月に世田谷区に開院しました。「日産」の名前が付いていますが、企業の病院ではなく、現在は独立した組織として「公益財団法人日産厚生会」が運営しています。
開院当初は結核治療が中心でしたが、現在は診療科目31科、病床数389床(急性期304床 / 産科16床含む)、地域包括ケア41床、回復期リハビリテーション44床)の地域中核的病院として、区西南部の二次救急を担い年間約5000台の救急車を受け入れています。一方、世界に先駆けて開発した胸腔鏡で自然気胸の治療を行う気胸研究センター、国内の人工股関節治療をリードする股関節センター、多職種による包括的介入を実践する透析センターなど社会的評価を得た専門医療も展開しています。
2013年12月には内閣府から公益財団法人として認定を受け、「国民の健康保持と疾病の予防・治癒に寄与するための医学的研究事業」を公益目的事業とし研究活動にも取り組んでいます。現在、当院は「医の実践と研究」を使命とし、「最善の医療をめざし社会的貢献を果たす」ことを理念に医療を展開しています。
当院は結核療養所から出発したため市街地から離れて位置し、近隣に商店街もありません。そのため政策的に推進された医薬分業としての院外処方は選択できず、現在でも99%院内調剤を行っています。昨今では、外来が院内調剤の病院は都内では多くありませんが、それが良い意味で当院の特徴の1つとなっています。その一方、全病棟に薬剤師を配置し病棟薬剤業務実施加算を算定できる体制を整え、外来化学療法室にも薬剤師を常駐し薬剤師外来を展開しています。
薬剤師の人員は、薬剤師33名、調剤助手6名で構成されています。チーム医療は、化学療法、緩和ケア、慢性腎臓病、糖尿病、心不全、栄養サポート、感染制御、認知症、褥瘡、呼吸器ケア、周産期など多岐にわたるチーム医療を担っています。人材育成として、1年次は薬剤師基礎力、2年次は1ヵ月単位で全病棟ローテーション、3年次から病棟専任、4~5年次に専門分野の研鑽を行い6年次には認定取得できる教育制度を目指しています。
「医の実践と研究」を使命とする病院として、院内製剤や栄養サポートについて星薬科大学との共同研究を進めると同時に、医療安全、慢性腎臓病や感染制御など各種チームにおいても学術活動を進めています。近年では、BSC(バランスト・スコア・カード)の経営手法を取り入れ、薬剤科の目標を設定し、薬剤師業務の見える化を推進しています。特に①患者への薬学的介入の推進と②医薬品安全使用体制の強化を中心に業務展開し、すべてのスタッフが生きがいを持って働き続けられる職場環境づくりを目指しています。
住所 | 東京都世田谷区瀬田4-8-1 |
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TEL | 03-3700-1151 |
FAX |
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