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会・委員会

専門薬剤師養成部褥瘡領域薬剤師養成小委員会

超高齢者化社会を迎える今、褥瘡対策はより重要となっています。
褥瘡対策における薬剤師の役割としては、全身管理と局所管理での介入があります。薬剤師の役割のうち全身管理としては、褥瘡(創傷)の発生・治癒に影響する薬剤や疾患・栄養の管理、褥瘡を起因とする感染対策が、局所管理としては、褥瘡の病態を把握し、適切な外用薬(薬効・基剤)や創傷被覆材の選択、適正使用としての実技指導や薬剤滞留障害への対応などがあげられます。また、薬剤師が、病院・薬局との連携をすることで、褥瘡対策の充実につながります。褥瘡対策に薬剤師が参加することは、褥瘡の改善・費用対効果の向上につながるとの報告もされています。
2022年の診療報酬改定において「褥瘡対策の診療計画」に薬学的管理に関する事項が追加されました。また、日本褥瘡学会では褥瘡・創傷専門薬剤師制度が設立されました。
褥瘡対策に薬剤師が積極的に介入することが求められており、東京都病院薬剤師会としては、教育の機会を設けていくことが必要と考えております。

専門薬剤師養成部褥瘡領域薬剤師養成小委員会は、2003年に専門領域薬剤師養成特別委員会のもと立ち上げられました。
当委員会は、褥瘡に関わる全般的な専門知識を習得し、適正かつ有効な褥瘡治療を支援できる技術を身につけ、チーム医療に貢献できる薬剤師の育成を目指しています。
主な活動として、1年間5回の1クールで研究会を行っております。

これまで、多くの受講者を輩出し、それぞれの施設で学びえたことに経験を重ねつつ、日々奮闘されていることと思います。
2014年には研究会発足10年を区切りとし、第16回日本褥瘡学会学術集会に、「褥瘡領域薬剤師養成研究会の10年間の取り組みと今後の課題」をテーマにポスター発表し、見事ポスター賞を受賞しました。日本褥瘡学会は、医師をはじめ看護師、栄養士、理学療法士、作業療法士などの多職種が集う学会であり、そこで薬剤師のための教育活動が表彰されたのは、驚きでもありました。
これは、東京都病院薬剤師会という組織が母体になり、継続して褥瘡領域の薬剤師養成活動を行ってきたことに対する評価だと思われます。

これまでの参加者からは、研究会に参加することによって、「独学で学んだことと新しい知識を合体することができた」「患者を疾患・栄養・物理的問題等総合的な面から把握し、診ることができるようになった」の感想、また研究会後の褥瘡チームへの関わりへの変化として、「他職種からの信頼が得られるようになった」「意欲が高まった」「他職種と一緒に考えることができるようになった」など、より積極的に取り組む姿勢が感じられました。
また、どのような内容がより興味が持てたかとの質問には、「軟膏の混合と褥瘡処置」や「体圧分散寝具とポジショニングの体験」の答えが多く寄せられています。
より実践的な体験が不足しているために、未だ褥瘡チームの中で薬剤師が積極性に欠ける原因がここにあるのかもしれません。

当委員会では、これらの意見を参考に、毎年研究会の講義内容を見直し、より会員の皆様に満足していただける会となるよう努めております。
薬剤師育成に当委員会が一助になればと願い、委員一同力を合わせて、今後とも臨んでいきたいと考えます。

(専門薬剤師養成部褥瘡領域薬剤師養成小委員会 委員長 関根祐介)

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